移ろいに身を馳せて

乳色に染まる春の朝
零してしまった東の空
走る橋桁 踏み外す濁音
嗚咽と共に内臓を吐く

また繰り返す夏
巡り巡って憎しみの阿修羅
後悔と懺悔の世迷い言
十字架とタオルを探すアスファルトの海岸

束の間の幸せが
指の間から溢れ落ちる
暮れ泥む秋の終焉
煉獄の夕暮れ

情を移せば 箱の中
返事をしない鬱血した背骨 
姉さん 何処にいるんだい
冬の糸電話

狂った頭に蠅が止まる。